ニホンとニッポン
ロンドンオリンピックが開幕しました。不思議に思うのは、オリンピックを含む国際試合には自国を
『ニッポン』と呼びますが、国内でニッポンと呼ぶとちょっと違和感を覚える事です。サッカーを90分の国粋主義と言った方がいましたが、オリンピックでは全ての競技で『ニッポンコール』が起きます。政治とスポーツを完全に切り離して実施すべきとは思いますが、まだ国威発揚の場と位置づけている国もあるようですし、日本もそうなのかもしれません。
前回の北京オリンピックで優勝した日本女子ソフトボールも優勝当時は大きく取り上げられましたが、今年はオリンピック種目から外れたこともあり、先日カナダで開催された世界選手権もアメリカの8連覇を阻止し優勝した日本を知らない方も多いのではないでしょうか?この様に見てみるといかにスポーツが国民に浸透していないのか分ります。せいぜいが野球、サッカー、ゴルフがメインでその他はオリンピックでメダルを取らないことには話題にならないのも現実です。
バブルの崩壊以降、次々と大手企業がスポーツから撤退し、アマチュアスポーツの裾野を狭めてしまった事も原因かもしれません。
この2週間は深夜まで観戦・応援する方も多いとは思いますが、選手団の帰国インタビュー後は話題に乗ることもなく、テレビも新しい話題作りに躍起になる現実を大変寂しく、空しさを感じるのは私だけでしょうか?子供が昨日まで片時も離さなかった人形を新しいお気に入りができたら見向きもしない行動とどこか似通っていると思います。
一人ひとりの選手がオリンピックまでの道のりをもっと我々に知らせてくれれば、観戦する仕方も変わってくるかもしれません。成果主義、結果主義にばかり目を向けると、スポーツの本質が見えなくなる。選手はメダルが目標ですが、我々にはメダルだけが感動を与えるものではないと思えてなりません。
(S.T記)