やぐらの夜
干し大根の受入も最盛期の今。毎日美しい干し大根がたくさん入荷されていますが、最高の干し大根を作るためには、大根をやぐらにかけるだけでなく、その後も雨が降ればビニールシートで覆ってあげ、気温が下がればストーブを焚いてあげたりと出荷されるまでずっと手をかけてあげなければなりません。
特にストーブを焚くのは夜遅くなので、なかなか目にすることはできません。私も入社してから一度も見れたことがなかったので、週末に農家さんに連絡をとり、見学に行かせてもらいました。ストーブを焚くとき、やぐらは全体をビニールシートで覆い熱が逃げないようにします。そこに一つずつ火を入れていきます。この日見たやぐらは全長ほどあり、ストーブも50台くらい置いているとのことでした。夜の寒い中、農家さんは一つずつ火を点けて歩きます。
やぐらの中はほんわり暖かいのですが、それでも白息が出る寒さ。今期は寒さが厳しいので例年よりストーブをつけなければいけない日が多く、農家さんは毎晩のように寒い畑に足を運んでいるそうです。
やぐらに少しずつ火が入り、ぼんやりと明るくなっていくその光景は、言葉には言い表せないほど美しいものでした。こういった作業をしていることは前から知っていましたが、誰に見せるでもなくこうして寒い夜も朝も黙々と管理して、美味しく美しい干し大根を作ってくれる農家さんには本当に感謝だなと思いました。
これほど大事に育ててもらった干し大根を美味しく加工して、一人でも多くのお客様に味わっていただきたいと強く思った冬の夜でした。